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梅って、フルーツなのか野菜なのか迷ったことはありませんか？
甘くないし、そのまま食べる機会もほとんどないので「野菜っぽい」と感じる人も多いはず。
でも実は、植物学的にも農業的にも、梅はしっかり 果物 に分類される食べ物なんです。
ここでは、その理由や梅の不思議な立ち位置を、やさしく解説します。
 

■梅は「果物」になる理由

植物学では、甘いかどうかで果物と野菜を分けているわけではありません。花が咲き、受粉して実が育つ――このしくみを持つものを「果実」と呼びます。梅は春に花を咲かせ、その後に実をつけるので、分類としては果実＝果物になります。

さらに梅は、バラ科サクラ属という“フルーツの名門”グループに属します。桃や杏、さくらんぼの仲間で、中心に硬い種がある「核果」という構造もよく似ています。甘さには違いがあっても、植物としては果物の特徴をしっかり備えているわけですね。
 

■農業・流通の世界でも果樹扱い

農業の世界では、木になる実を収穫する作物は「果樹」と呼ばれます。梅の木も毎年実をつける多年木なので、もちろん果樹に分類されます。青果市場でも、梅は果物として出荷されるのが一般的です。

つまり「木になる実である」という点が、農業上の果物かどうかを決める大きな基準になっています。
 

■野菜っぽく感じるのはなぜ？

それでも多くの人が梅を野菜みたいに感じるのは、食文化の影響が大きいからです。

・生で食べる習慣がほとんどない

・梅干し・梅酒・梅シロップなど、加工が基本

・酸味が強く、おやつ感覚では食べない

・調味料や保存食の印象が強い

こうした要素が重なって、「果物より食材」というイメージが先に立ちやすいんですね。

■日本ならではの梅文化

梅は果物でありながら、日本では「加工されてこそ魅力が引き立つ食材」として発展してきました。梅干しや梅酢は保存性が高く、梅酒や梅シロップは家庭の味として親しまれています。

酸味の強さや保存しやすい性質が、昔から料理や健康食に活用され、日本ならではの食文化を育ててきたのです。
 

■終わりに

分類上はれっきとした果物なのに、食文化の中では食材としての役割が大きい梅。どちらの顔も持っているからこそ、ほかの果物にはない独特の存在感があるのかもしれません。